今回は古い記事です。
外人「BABYMETALのインタビューに立ち会ったんだけど…」
http://niyaniyakaigai.seesaa.net/article/401987687.html
上記記事の中でネタに困ったらやるって言ってた記事です。
それでは、どうぞ。
BABYMETALの背後の面々
by ryotaroao
へヴィメタルアイドルグループBABYMETALは表面上、USA Today、he Huffington Post、The Guardianでの彼女たちをフィーチャーした記事で、ここ1週間で世界を魅了した。
日本のアーティストが欧米のメディアによって取り上げられる時はいつだってエキサイティングだ。
しかし残念なことに、特にBABYMETALのようなグループと同じくらい華やかで風変りだったなら、それらのひとつひとつで同じことが繰り返される傾向がある。
“クレイジーなジャップたち”
そしてもちろん、必須のコメント欄があり、BABYMETALに関しては驚きで目を見開くってものから、どれだけ“これがメタルじゃないか”、“スレイヤーがこれを嫌ってるか”についての論評の嫌悪で満たされてる。
グループの3人の女の子はメタルを好きじゃないと主張して火に油を注ぐ。
だが、そんなものはマジで重要なことじゃあない:彼女たちはアイドルなんだ。
Perfumeだって最初に始めた時はエレクトロポップが好きじゃなかった。
そういった反応が起こる理由を理解するのは簡単だ。
この手の音楽が欧米に存在しないってだけでなく、BABYMETALを紹介する記事の殆どが、このプロジェクトの背後のクリエイティブな才能についての研究や文化的な脈絡も大してなく、クレイジーさと奇妙さを指摘するだけなのだ。
このグループについて話をする時、日本のポップミュージックの最近の流行に注目するのは大切なことだ。
“アイドルマニア”ってのは、Bellring Shojo Heart、BiS、でんぱ組、ももいろクローバーZ、AKB48のようなグループで、少なくともここ5年は日本のもので、殆ど全ての音楽文化の層で急増している。
アイドルはずっと前から日本の音楽のものだったが、21世紀には他も似たようなものになり、ここ2年で過度な飽和状態になった。
また、日本で音楽業界とシーンがどのように作動するかを考えることも重要だ。
おそらく、他のどの国よりももっとメインストリームの音楽とアンダーグラウンドの音楽の間のギャップは大きい。
これが砂糖をまぶして作り出すポップシーンを生み出し、凄くアバンギャルドで孤立したアンダーグラウンドシーンを生み出した。
この音楽的な状況で、アンダーグラウンドのミュージシャンがメインストリームになったり、音楽をプレイして生計をたてることは難しい。
いくつかのバンドは、そのギャップを乗り越えたが、ファン層は限定されてるし、同時に有名なシンガーに音楽を提供している。
そして、もちろんアイドルグループにも。
アイドルグループもそういったことで利益を得た。
何故なら、今の流行は、他のなにより奇妙でクールであることが全てだと思えるからだ。
ももいろクローバーZやBiSのようなアイドルグループは、特定のサブカルチャーのニッチなファンのグループに目標を定めることで、そしてより正当で本物に感じるプロジェクトと音楽を作るために、サブカルチャーから評判の高いミュージシャンを雇うことで成功した。
だから、人々がBABYMETALのようなグループの“メタルさ”を非難する時、それは実際にちょっと皮肉だわな。
彼女たちは、特にある程度の基準を満たすために遺伝子を組み替えられたのだ。
基本的に、彼女たちはメタルだ。
少なくとも音楽的に、そして美学的には。
それはBABYMETALの背後にクリエイティブなチームを俺たちにもたらした。
ずっと続けてるグループのメインプロデューサー(モーニング娘のつんくのように)がいるようには思えない一方で、しっかりまとまったミュージシャンチームがいることは明白だ。
明らかに傑出した人物のひとりは、Coaltar Of The DeepersのNarasakiだ。
“Pinky Jones”、“Kuroi Shuumatsu”、“Birth Ø Birth”のような曲をももいろクローバーZに提供したのに加えて、アニメのサントラをプロデュースすることで、ここ2年間で認知されてきた。
Narasakiは彼のメタルを分かってる。
彼のバンドはめったにない完全なメタルである一方、彼のセカンドアルバムのThe Cureのカバー“Killing An Arab”から“Mars Attacks!”まで、Narasakiの速弾きがあった。
ももいろクローバーの“黒い週末”を聴けば、あらゆる種類のブラックサバスを参考にしたものを聴くことになるだろう。
NarasakiのBABYMETALへの貢献は、今のところシングルの“ヘドバンギャー”とカップリングの“Catch Me If You Can”だった。
後者はほぼCoaltar Of The Deepersのようなサウンドだ。
Penguin EPのメタルが混じった“Dead By Dawn”と比較してみてくれ。
同じセッションから生まれたようなサウンドだ。
これは、日本の多くのプロデューサーにも言えることだ。
誰がきゃりーぱみゅぱみゅのシングルがCapsuleのアルバムにあるはずがないと言えよう。
誰がももいろクローバーZの曲がひゃだいんのレコードにないと言えよう。
アイドルミュージックは、多くのミュージシャンが遊ぶ砂場になった。
彼ら自信で面白いバンドをやってるけど、彼らのやってることがニッチな性質のものな所為で、それらのミュージシャンが音楽をプレイすることで生計をたてるのは難しいのだ。
そして、日本ではこの手の音楽に対するサポートが十分ではないというシンプルな事実のために。
それが、ポストロックバンドNatsumenのAxSxEのような人たちが、木村カエラのために“L. Drunk”のような曲を書く理由だ。
もうひとりの傑出した人物は、彼のソロプロジェクトAA=と同様に、Mad Capsule Marketsのベーシストとして最もよく知られている上田剛士だ。
彼の曲はネットで広まった曲のひとつであり、間違いなくアルバムのハイライトのひとつである“ギミチョコ”だ。
ギミチョコはメタルとエレクトロポップの組み合わせだが、上田はキャッチーなオートチューンの間奏において洒落たやり方でそれをおこなって、まぁ、その結果、君はMad Capsule Marketsのレコードを聴くだろうね。
しかしエレクトロの要素は決して安っぽい領域にはいかないし、上田は明らかに、凄く精通した領域にいる。
もうひとりの貢献者は、シングルの“メギツネ”を書いたDugoutのNorizoとして知られるNorimetalと、ボーカロイドのプロデューサー/DJ/ロックミュージシャンのゆよゆっぺだった。
Dugoutは全然メタルじゃないけど、ある意味ではメタルとJポップのハイブリッドの道を切り開いたマキシマムザホルモンのようなバンドと一緒に八王子シーンの一員だった。
マキシマムザホルモンのボーカリスト津田大輔は、当初はDugoutでドラムを叩いていたのだ。
60年代のガレージスタイルのようなものに移る前は、元々Dugoutはポップパンクの曲を書いていたのだ。
どっちにしろ、彼らはキャッチーなインディーズロックソングを書いていた。
クレジットを見ると、ゆよゆっぺの名前が1番多い。
彼は実践的で、メタルのソングライターじゃない人たちにメタルアレンジをもたらしたように思える。
彼は“悪夢の輪舞曲”を書いて、“BABYMETAL DEATH”と“メギツネ”を含む、3つの曲のアレンジをやった。
EDMとメタルのミックスは、ゆよゆっぺのMy Eggplant Died Yesterdayと名付けられたバンドのようなサウンドだ。
正直言って、俺はゆよゆっぺの曲の大ファンってわけじゃないけど、どちらかというと安っぽいSkrillex風にも関わらず、へヴィな音楽を理解してることは明白だ。
リストのもうひとつの面白い人物は、EversetのギタリストであるTatsuoだ。
彼は、最近“女々しくて”で一世を風靡したエアバンドセンセーションであるゴールデンボンバーの音楽をプロデュース/アレンジを担当してることでも知られている。
バンドは本質的にパロディ(面白いとは思うが、俺は酷いと思う)だが、日本のヴィジュアル系シーンとの強い結びつきを持っている。
Tatsuoは、“おねだり大作戦”と“4の歌”というアルバムの2曲をアレンジした。
BABYMETALとヴィジュアル系の間の繋がりは重要だ。
“ヘドバンギャー”や“イジメ、ダメ、ゼッタイ”のようないくつかの曲は、メタルじゃないと非難されたが、ヴィジュアル系のレンズを通して見れば、突然理に適うんだ。
両方とも、スレイヤーの曲というよりは、X Japanの曲のように聴こえる。
Narasakiはインタビューで、ヘドバンギャーのためのインスピレーションをうけたのはへヴィメタルよりヴィジュアル系だと認めさえして、“本当にメタルを理解してない日本のヴィジュアル系によるメタル”のように意図的に聴こえる曲だと言った。
このヴィジュアル系とメタルのハイブリッドという状況でアルバムを聴くってのは、アルバムに新しい観点を与えるし、クリエイターが実際に行ったことを感じ取れる。
最終的に君が得るのは、おそらく考えうる限り最高のメタルと歌謡曲のメロディの凝ったごちゃまぜというアルバムだ。
それは多くのヴィジュアル系バンドが、80年代後期と90年代初期にやろうとしてたことだ。
そしてNarasakiのファンとして、それらの曲で完全なメタルに行く彼を聴くのは面白い。
それはCoaltar Of The Deeperの曲で彼がめったにやらないものだ。
彼のアニメのものとアイドルのものを含めた全体的なディスコグラフィーを背景として曲を聴くのっていいよ。
アンダーグラウンドシーンでレコーディングしてツアーをするという辛い仕事をやり遂げた人によって作り出された曲と、1度もバンドをやったことない人がパソコンで作ったアイドルソングとの間の違いを聴くことが出来る。
The GuardianのDom Lawsonが、グループは“マキアベリズムの天才が真夜中に突然、“ひらめいた!”、日本のオーディエンスは間違いなく最先端の音楽的なアイデアの一見矛盾したごちゃまぜをきっと受け入れる”と確信した人たちによって作られたと言うかもしれない一方で、彼は上っ面をなでてるだけだ。
ここしばらくの間、このごちゃまぜは起こっていた。
それは最近アイドルミュージックが売られている方法だ。
ニッチなマーケットを選び、曲をプロデュースする人たちを手に入れて、音楽の異なった面を強調する。
率直に言って、バンドとミュージシャンが自分たちのバンドでやっていくことが出来ないってのは凄く気が滅入る。
けど、商業主義から利益を得られるものがあるとしたら、それは才能のある人たちの仕事が耳にされるようになるってことと、BABYMETALのようなグループがメタルとインディーズの音楽の世界へのキッズの入り口になるかもしれないってことだ。
そう、それは作られた。
そう、それは馬鹿馬鹿しい。
だが、それは一面的なものの見方だ。
可愛さと商業主義のハイゴには、いくつかのクールなバンドがある。
君はもうちょっと深く掘り下げなければならない。
https://donotcrossthestreams.wordpress.com/2014/03/15/the-faces-behind-babymetal/
trp0
俺は間違いなくこれが日本のミュージックシーンと日本の文化という環境から彼女たちが現れたってこととBABYMETALに関する最高の記事だと気づいたよ。
最近はネットの反応、そして音楽メディアですら、全然深く掘り下げることなく、“ワォ!日本からの最新のクレイジーなものだ!”ってのが多すぎるんだ。
deleted
彼は良く分かってるな。
steelydancel
クソッ、俺は記事を半分読んだだけだけど、今まででベストのBABYMETALの記事じゃね?って質問に対する俺の答えは、すでにYESだ。
piyochama
すげー良いよ!
長い間、日本の音楽をフォローしてたものとして、東アジアのクリエイティブな天才がどれだけ働いてるか分かってる。
彼はそれをファッキン理解してるんだよ。
Jean-François Cloutier
今までで1番良いBABYMETALの記事のひとつだよ。
興味深い事実をありがとう。
bselt2
俺は骨が誰なのかを理解しようと思ってここに来たんだよねw
ホルモンのダイスケはんがドラムを叩ける理由を初めて知りました…。
/ヽ /ヽ
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ひとりにすべての資質を求めるな。
孔子