今回は、Kerrangの記事です。
めっちゃ長文だったので、これに対する反応は別にやります。
それでは、どうぞ。
銀河の守護者:BABYMETALが今まで以上に強くなる理由
by Tom Shephard
BABYMETALのサードアルバムMetal Galaxyに、バンドのシンガーSu-METALがとても大切だと語ったひとつの曲がある。
アルバムの最後から2曲目のShineは、日本のKawaiiメタルグループの基準からすると適度に抑えることに成功してる気高い6分間の素晴らしい曲だ。(ひとつしかギターソロを使わないくらい“抑えられてる”)
彼女はスタジオでレコーディングしてる間、光と希望のメッセージからインスピレーションを得て、そこに注いだ感情をはっきりと思い出して、ファンとシェアするのを楽しみにしてると言う。
“もし暗闇に直面してる人がいるなら、その先にはいつだって光があるんです”と、曲の歌詞を引き合いに出して彼女は言う。
“障害がたくさんあるので、自分を信じたりひとつのことを信じるのは本当に難しいんです。でも、自分を信じれば、いつだって大きな光が待ち受けてるんです。この曲を歌う度に、凄くモチベーションが湧くんです”
BABYMETALの音楽に伴う巨大な物語が、去年発売されたスピンオフグラフィックノベルにまで及んで計り知れないものになったことを考えると、そういうシンプルで現実的な感情が、バンドの不可解な神話の中で道に迷うのは簡単だ。
だが、厳しい時期を乗り越えることに関する曲とシンガーの繋がりは、2016年のMetal Resistance以降のバンドのジャーニーを考えると、よりすべてを深く感じさせる。
創設メンバーのYUIMETALが、デュオとして続けていくSu-METALとMOAMETALを残し、8年やってきたBABYMETALとの決別を発表してから1年以上が経った。
2018年のワールドツアーでなんの説明もなくその元メンバーが欠席した後、そのニュースは何か月もの混乱と不確実性を引き起こした。
その活動が頻繁に殆ど秘密にされるバンドにとっても、その状況の一部始終は謎のままだった。
これはMetal GalaxyがYUIMETALなしで作られた初めてのレコードであることを意味する。
それでもそれは、これがBABYMETALにとっての新時代のように感じさせる唯一の理由っではない。
残ったメンバーが2人とも大人になり、学業とショーを両立させる日々は過去のものとなったのだ。
2人ともそれぞれのビジョンとバンドにやれるものに対する願望を持ってる。
それから音楽自体がある。
Metal Galaxyが野心とアイデアのおもちゃ箱を開けることで、これはバンドが次のレベルへの準備が出来てるだけでなく、ヘヴィミュージックの完全に新しいものを作る準備が出来ていることを明白にしてるのだ。
運命のいたずらで、Metal Galaxyは、BABYMETALがチャンスを与えてくれる地での初のアリーナショーであるThe Forumでプレイしたその日にリリースされた。
アメリカ人は、度を越えて素晴らしいライブショーに追いつき始めてるように思える。
東京のSummer Sonicフェスで、Bring Me The HorizonがBABYMETALの前にプレイした時、オリバー・サイクスはBABYMETALのために観客を温めるためだけにいると言ったんだ。
バンドのアメリカツアーでのハイライトを聞くと、Su-METALはニューシングルPA PA YAで、フィラデルフィアのファンがタオルを頭上で一生懸命振り回してくれたことだと答えた。
“私たちはちょうど3年前に来た会場でやったところなんですけど、当時は、殆どの人たちが私たちのことをあまり知らなくて、なんて面白い女の子たちのグループなんだって考えてるだけだったんです”と、彼女は言う。
“でも今年同じ会場でやった時は、反応が、ファンの皆さんが私たちに会いにきてくれたって感じでしたので、凄く幸せな気持ちになりました”
“日本語がどれだけ難しいか分かってるので、ファンのみなさんが日本語の歌詞を覚えてくださってるのを見るのはアメージングでした”ち、MOAMETALは付け加える。
BABYMETALには、喜んで話すテーマと話さないテーマがある。
中元すず香と菊地最愛の私生活や将来のプランは、彼女たちのキャラクターにかけられた魔法が解けることを恐れ、秘密のイグルーに囲まれてるのだ。
実際、あまりに詮索的な質問を“Only the Fox God knows”という真言で可愛らしくシャットダウンさせることは、名詞のようなものになった。
“Only the Fox God knows”という回答をされる質問がひとつもなかったインタビューを探してみてくれ。
そしたら君は長い夜を経験することになるぞ。
それでも、今日、通訳を通して我々と話していて、個々の個性がはっきりと見え始めるのにあまり時間はかからない。
たとえば、KerrangがBABYMETALが始まった時の若い自分にどんなアドバイスをするかを2人のメンバーに聞いた時だ。
MOAMETALは、ショーの前にストレッチをするように話すとジョークを言った。
“若い頃はウォーミングアップをしなくても平気で、ダンスしたりやりたいことが出来たんです”と彼女は言う。
“でも今は歳をとったので、ウォーミングアップが必要です”
一方でSu-METALは、“自分の直感を信じる”ように自分に話すという遥かに深い回答をした。
我々はツアーを通して彼女たちが出会ったミュージシャンやアーティストについて話した。
ネットは、BABYMETALがメタリカ、レッチリ、All Time Low、そして最近ではオルタナティブポップスターのビリー・アイリッシュのような多様なアクトと一緒にキツネサインをしてる写真で溢れてる。
MOAMETALは1番会いたいバンドは、特にそのサウンドがBABYMETALの2016年の曲Tales Of The Destiniesに影響を与えたアメリカのプログレメタラーのドリームシアターだと言う。
誰かがしてくれたベストのアドバイスに関しては、ジュダースプリーストのレジェンド、ロブ・ハルフォードが彼女たちに言った“always stay metal”になるだろう。
“ロブハルフォードさんがメタルのままでいるように私たちにおっしゃってくれたことは、ずっと私たちの心の中にありました”とSu-METALは言う。
“それは、障害に直面する度に、或いは酷いレビューをされる度に、私たちの頭のどこかにあるものなんです”
障害の話は、当然YUIMETALが辞めたテーマへと繋がっていく。
去年の10月、彼女は健康状態が良くなかったけど、BABYMETALに戻るのではなく、ソロキャリアを追い求めたいとファンに説明する声明を公開した。
“もう1度ステージに立ちたいという強い思いもありましたが今も体調が万全ではない”と声明には書いてある。
“そして以前からの私の夢、水野由結としての夢に向かって進みたいという気持ちもあり、今回このような決断をいたしました”
1年が経ち、それは残った2人が今でも必要以上に考えたくはないように思えるテーマだ。
“YUIMETALは、私たちにとって凄く特別な人でした。だから明らかに凄く厳しかったですけど、私たちは彼女がやりたいことをサポートしたいと思ってます”というのが、今のSu-METALの物悲しく聞こえる反応だ。
年の初めから、アヴェンジャーズとして知られる3人のローテーションバックアップダンサーが、YUIMETALの役割を交替で埋めている。
だが2人は、正式な交替メンバーを見つけることに関しては、1度も話したことがなかったと言う。
“私たちはBABYMETALを続けて、伝統を続けていきたかったんです”とSu-METALは言う。
“それにYUIMETALのような人は誰もいないので、交替は簡単じゃないんです。それが、(Su-METALとMOAMETALが)BABYMETALの中心としてやっていくと決めた理由です”
デュオであることで、彼女たちの関係は変わってしまったのだろうか?
“Su-METALとの絆がいっそう強いものになりました”とMOAMETALは言う。
“今までよりもお互いを理解出来るように感じるんです。私たちは最初から凄く親しかったですし、Su-METALと一緒にBABYMETALの一員であることは、私は凄くありがたいと思ってることです。Su-METALは、私が頼って、信頼することが出来る人なんです”
バンドのプロデューサーKOBAMETALは、この不確実な期間を通して、BABYMETALの舵をとったのはSu-METALとMOAMETALの意欲と精神だったと強調する。
“明らかにYUIMETALの離脱は、彼女たちが経験したことがなかったものでした”と彼は言う。
“それはBABYMETALにとって厳しい時でしたが、それ以上にSu-METALとMOAMETALは(バンドを)続けるという強い希望を持っていたんです。彼女たちはグループの中心になることを望みました。僕はそれがBABYMETALが引き続き進化した時だと思います”
謎めいたKOBAMETALは、陰で糸を引くクリエイティブな黒幕だと思われている。
9年前に東京からBABYMETALを作って始動させ、すべてのブレイクダウンやステージでの爆発やキツネ様の“お告げ”が、彼の脳を通して出てきたのだ。
それでも、Metal Galaxyの概念は、彼のこれまででなによりも広大で複雑な偉業かもしれない。
彼は、YUIMETALの離脱がバンドの前回のアルバムMetal Resistanceから3年半もの期間がかかった理由の一部だと認めるが、彼が作るものの壮大な性質にも大きく関わってると付け加える。
Metal Galaxyを説明するために、KOBAMETALはBABYMETALが宇宙を旅し、メタルギャラクシーの行った先々で学んでいくということを生き生きと表現する。
現実では、彼は色んな文化や音楽のスタイルに触れるユニークな機会を彼女たちに与えているバンドの絶え間ない世界中のツアーをなぞらえている。
彼が、完全に新しいものを作るという最終目標を持ってアルバムに取り入れたのは、そういう経験だったのだ。
“これは初めてメタルの新しいジャンルにトライしたものです”と彼は言う。
“以前は、メタルのサブジャンルを探求しました。日本のメタル、ヨーロピアンバスメタル、フォークメタルを探求し、今は色んな種類のメタルにトライしてます。ヒップホップやインドのサウンドやラテンのサウンドはもちろん、ジャズとか、フューチャーベースとか。僕たちはメタルの色々なテリトリーを探求してるんです”
Metal Galaxyがもたらす影響がどれだけ多様かを理解するために、14曲の中に登場するコラボしてる人たちを見てくれ。
タイのラッパーF. Heroは、プロディジーの香りがするPA PA YAを早口のヴァースでねじ伏せ、スウェーデンの楽しいメタラーサバトンのヨアキムはフォークが吹き込まれたOh! Majinaiで全力疾走してる。
だけど多分、その中でも最も印象的なのは、DistortionでSu-METALの明るさに対して死人のようにうなってる引き立て役として機能してるアーチエネミーのアリッサ・ホワイト=グラズだ。
Su-METALは、新しく今までと違うボーカリストに向かい合う機会を楽しんだと語った一方で、プロデューサーは、それらのゲストの貢献を、“欠けているパズルのピースを見つける”ようなものだと説明する。
“今回は、色々なアーティストとコラボする機会があって、私たちのジャンルの音楽的なは幅が広がった気がします”と、Su-METALは言う。
“BABYMETALは常に進化していますし、また新しいことにチャレンジしたいです”
それは明らかにKOBAMETALが共有する野心だし、彼はMetal GalaxyでBABYMETALが示したある種の実験が、いつか彼女たちがメタルの最もビッグなアイドルの影から抜け出す時、すべて力になってほしいと思ってる。
“僕たちは以前に他のアーティストがやったことのないことをしたいんです”と彼は言う。
“メタルに関しては、アイアンメイデンやジューダスプリーストやメタリカのような伝説的なバンドがいますし、BABYMETALはそれらの伝説的なアーティストから多くのインスピレーションを受けてます。でも、僕たちはそれらの伝説的なバンドと同じものをやりたくはないんです。それは彼らのカラーですから。僕たちは必ずメタルミュージックの美しさ伝えたいと思ってますが、BABYMETALが、これこそがメタルミュージックだと感じるような形で、なんです”
もちろん、その分野でBABYMETALを他と区別するひとつのことは、キツネ様とバンドのおとぎ話がもたらす多彩な深みだ。
君たちは、KOBAMETALがMetal Galaxyのプロットラインに関する多くの情報を漏らすことは期待しないだろうが、彼は二重性の概念はこのアルバムの鍵となるファクターだと説明する。
“BABYMETALはライトサイドとダークサイドがあるんです。そして僕たちはそれを全体の経験はもちろん、パフォーマンスを通して描きだすんです”と彼は言う。
“今回の場合、ライトサイドとダークサイドを描くのは本当に重要だと思うんです。何故なら、その2つの矛盾するファクターが、お互いのバランスを生み出すからなんです”
彼が預言者モードにいる時、彼についていくのは難しくなり得る。
だが、彼はMetal Galaxyでその対立する力が、天体の存在にもなることを明らかにする。(Su-METALが太陽で、MOAMETALが月)
“どちらも光を放ちます”と彼は神秘的に語る。
“でもそれぞれが光を放つ時は、別々の環境でです”
もしBABYMETALを取り巻く宇宙が膨張してるように思えるなら、それはSu-METALとMOAEMTALの能力が、彼のビジョンの野心と共に成長しなければ不可能だったとプロデューサは指摘したがった。
彼は2016年の東京ドームでの2日と比較して、日本の小さなライブハウスで初めてのショーをやったことを覚えてるから、娘たちを誇らしく思う父親のようだ。
“彼女たちは多くのことを経験し、深みはもちろん、スキルの幅を広げてきました”と彼は言う。
“彼女たちはパフォーマンスのやり方とステージでの自分の見せ方で、成長しました”
“この9年の経験は、BABYMETALはもちろん、彼女たちをメンバーとして本当に成長させてくれたものです。毎日が新しい経験で、毎日スキルを身に着けていったんです。Road Of Resistanceという曲で、「今日が明日を作る」ってフレーズがあるんですけど、まさにそれがBABYMETALを表現してると思います”
それは、Metal Galaxyが彼女に創造力を発揮させることを可能にする中で、Su-METALが自分で理解出来る変化だ。
“今までにやったことがなかったことをやることに取り組むことが出来ました”と彼女は言う。
“ボーカルの幅を広げたかったんです。なのでレコーディングに多くの努力と時間を割きました。私たちは絶対に完全に満足がいくものにしたかったんです”
そのような成長は、近年、Su-METALとMOAMETALが自分自身に見た個人的な変化を反映してる。
世間の注目を浴びて育つことは、スポットライトの下で過ごした人生から離れた自分を想像したかもしれない。
だが、どっちかっていうとそれは、彼女たちに立ち直る力を吹き込んだのかもしれない。
特にSu-METALは、BABYMETALでの自分のキャラクターから力を引き出したと感じている。
“新たな自分に出会うことは、私のキャリアで最も素晴らしいことでした”と彼女は言う。
“もし私が普通の人だったら、BABYMETALで経験したことを経験できなかったはずです”
彼女は、自分の言ってることの例として、ステージ上の3人の女の子に対して、どぎついメタルとキュートなJポップの異常なブレンドに困惑したオーディエンスが笑いを隠そうともしなかった日本での初パフォーマンスを思い起こす。
だがSu-METALは、それが硬い意志で自分を満たしたのだと説明する。
“普通は、みんなそれでしり込みするんです”と彼女は言う。
“でもSu-METALとしてステージにいる時は、オーディエンスが私を笑った時にやる気を感じたんです。私が思ったのは、もっと受け入れられるように追求したいってことだったんです。Su-METALとしての経験を通して、自信を持つことが出来ました。自信を持てるようになったことは、BABYMETALの音楽に深みを加えたんです”
彼女たちが歳をとるにつれて、この自信が他の人たちが尊敬する人としての役割をもっと快適に感じれるようにしたという感じが2人にあった。
個人としても、ヘヴィミュージックの大使としても。
“最初は、凄く若かったので、メタルミュージックは少し怖いというイメージを持ってました”とMOAMETALは言う。
“でもこの9年間とBABYMETALを通して、メタルミュージックがどれだけ美しくてアメージングなのかを本当に理解出来たんです。それって凄くクールです。これからの世代と若い世代のために、私はそれを伝えるロールモデルになりたいんです”
“私たちはBABYMETALというジャンルを作りたいんです”とSu-METALは言う。
“私たちの音楽を通して、私たちがメタルミュージックと日本の音楽文化の両方に、もっと多くの人をつなげて興味を持たせられる架け橋になれるといいなと思ってます”
それはすでに彼女が実現するのを見たものなんだろうか?
“そうだといいですね”と彼女は答える。
今のところ、近い将来、BABYMETALの良い評判を広め続ける機会がたくさんある。
Bring Me The Horizonをサポートアクトとして、母国で物凄いショーを終えたところだし、2月には初の大陸をまわるヘッドラインツアーに着手するためにヨーロッパに向かう機上にあるだろう。
MOAMETALは、特にスカンジナビア(メタルの発祥地)とロシアに行くことにワクワクしてるが、寒さが心配だと言う。
それは彼女たちのキャリアで、こんなに早くどれだけのことを達成してきたかを浮き彫りにする。
BABYMETALのマニアを取り除けば、殆どのミュージシャンが一生かかっても近づくことが出来ないステージでパフォーマンスをした2人の若いシンガーがいる。
彼女たちは自分の周りで起こってるすべてを評価するために、一歩下がって考えてみたことがあるのだろうか?
“私がBABYMETALで経験したことを経験出来る人はそんなにいません”とSu-METALは答える。
“新しい音楽や新しいサウンドを聴くことが出来ました。あまり多くの人が行くことが出来ない国に行くことが出来ました。世界中を旅して、多くの人に出会いました。この経験は、私にとって非現実的なものでした”
物事はどんどんクレイジーになっていく一方だと思う。
(⌒─⌒)
((^ω^`)) 今年はゥ,、ゥ,、でスw
( つ口
し―-J
ゥ,、ゥ,、 口
(⌒─⌒)’)ヾ
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目の前に立ちはだかる現実を飛び越え、その先へ進むための意志や力を“夢”と呼びたい。
小栗康平
https://www.kerrang.com/features/guardians-of-the-galaxy-why-babymetal-are-stronger-than-ever/