Consequence：ミュージシャンがアンチアジア人の暴力とレイシズムについて意見を述べる　【海外の反応】

 
 
今回は、Consequenceの記事です。
コメントのほうは、記事が凄く長いものなので、別にやります。
それでは、どうぞ。

 
 
 
 
Nightwisher77
アジア人とアジア・太平洋諸島系アメリカ人のミュージシャンが、アンチアジア人の暴力とレイシズムについて意見を述べる。
Mary’s BloodのSakiは、BABYMETALが日本の女性メタルバンドへの注目を高めたと認めてる。
https://consequence.net/2021/05/heavy-culture-asian-aapi-musicians-speak-anti-asian-violence-racism/
 
注：というわけで上記訳を。
 
 
Heavy Culture：アジア人とアジア太平洋諸島系アメリカ人のミュージシャンが、アンチアジア人の暴力とレイシズムについて意見を述べる
by Liz Ramanand
 
Heavy Cultureは、ヘヴィミュージックの様々な文化的バックグラウンドを持ったアーティストに焦点を当て、彼らの音楽と交わって影響を与える人種、社会などの視点を提供するジャーナリストLiz Ramanandの月1のコラムだ。
このコラムの最新回は、最近アンチアジアの暴力の波と彼ら自身の人種差別の経験を語るアジア人とアジア太平洋諸島系アメリカ人のロック/メタルミュージシャンをフィーチャーする。
 
今回の“Heavy Culture”では、アジア人とアジア太平洋諸島系アメリカ人のロック/メタルアーティストが人種差別の体験と、アジア太平洋の血を引く人たちに対する暴力の増加に対する考えを述べている。
中には、子供の頃やティーンエイジャーの頃に偏見にさらされた強烈な思い出を持ってるミュージシャンもいれば、数えきれないほどの経験をした人もいる。
 
Dragonforceのイケメン、Sinergyのキンバリー・ゴス、リンキンパークのマイク・シノダ、Chthonicのフレディ・リム、AmahiruとMary’s BloodのSaki、Bamboo StarのWolf Redがそれぞれ意見を述べてる。
 
5月は、アジア・太平洋諸島系アメリカ人月間だ。
アジア人コミュニティのために立ち上がるってことは、アジア人へのヘイトを止めるだけでなく、アジアの文化や音楽を祝い、アジア人の声を聞き、彼らそれぞれの経験に共感と敬意を示すことでもある。
どうか下記のアーティストの個人的なストーリーや考えを読んでほしい。
 
 
Dragonforceのイケメン
アジア人とアジア・太平洋諸島系アメリカ人コミュニティの人たちへの暴力的な人種差別の攻撃の増加について
 
もちろん、これは酷いし、心配になる。
元々、ボクは香港出身で、ヨーロッパで育って、人生の殆どをヨーロッパで暮らしたし、自分で経験したことあるから、ボクにははっきり分かってる。
 
なにもしてないのに、髪に火をつけられたことがある。
それはDragonforceをやる前にイギリスでだ。
ボクは、メタルを聴いて、メタルバーに通ってるギタリストの男ってだけだったんだ。
ボクに出来ることはなにもなかったよ。
どうしていいのか分からなくなる時があるんだ。
その人と喧嘩してたら、もっとトラブルになってるね。
 
だからそういうことはボクも経験してるけど、銃撃まで？
それは酷い。
ボクにはもうすぐ2歳になる子供がいるから、心配になるよ。
娘はどんな社会で育っていくことになるんだろ？
今までも酷いことはあったけど、今じゃさらにもっと酷くなってる。
 
初期の人種差別の経験について
 
11歳くらいの時にフランスの全寮制の学校に行ったんだけど、その時初めて人種差別ってものに気づいたよ。
国際色豊かな生徒たちがいるセクションがあったんだ。
ボク、アフリカの子供、ヨーロッパ各地の子供だ。
その建物の壁には、ル・ペン国民連合って書かれてた。
それは、すべての外国人をフランスから追放したがってる人種差別的な政党なんだ。
 
ボクは安全でいて、危険な場所に近づかないためにどうすればいいかを分かるくらいに長いことそういった経験をしてきた。
全寮制の学校には1年くらいいたけど、レイシストの教師が何人かいたから大変だったよ。
生徒の中で中国人はボクだけで、他の外国人の生徒たちから“あの先生はレイシストだから気を付けて”って教わるんだ。
 
両親との人種差別に関する会話の欠如について
 
両親は、人種差別に対処することについて、ボクにはなにも言わなかった。
数年前、母に“ボクをフランスの全寮制の学校に入れた時、どんなことになるか分かってたの？”って聞いたんだ。
だって香港を出た時に人種差別についてなにも教わらなかったから、その存在すら知らなかったんだよ。
母は、“どんなことになるかは分かってたわ。私もあなたが生まれる前、若い時にフランスに勉強しに行ったの”って答えた。
仕方ないね、それが高齢者の考え方なんだ。
母の世代の人たちは、長いことそういう扱いをされてきたから、そういうもんなんだと受け入れてるんだと思う。
 
両親や高齢の人たちは、それに関して話したくないんじゃないかな。
子供たちに知られたくない暗い側面なんだよ。
彼らは、子供たちが当時の状況を知らなくてもいいように、状況が良くなることを願ってるんだと思う。
11歳で香港を出てから、人種差別とはなんなのかを知り、それは止むことがなかった。
今でも、ちょっと違ってるだけなんだ。
大人になり、バンドに入って、今はネットで罵倒があるけど、コメントはブロック出来るんだ。
 
でもさ、ボクは慣れちゃったんだと思う。
人種差別の話はしないんだ。
なんで話さないのか理解出来ない人もいるだろうけど、もうボクは生涯を通して経験してきたんだよ。
 
ツアー中や音楽業界で直面する人種差別について
 
Ozzfestのオフの日にAtreyuと一緒にショーをやって、ショーの後にボクを脅し、ボクを殴りたがった人がいたのを覚えてる。
理由なんてなくて、駐車場の外でのことだった。
アジア人のギタリストなんてあまりいなくて、中国人となるともっと少ないんだ。
もうひとつの経験は、Dragonforceがビッグになる前、ほぼ毎日家に電話がかかってきたんだ。
午前4時の時もあれば午後7時の時もあって、変なアクセントでボクを侮辱したり、イタズラ電話をかけてきたりと何か月も続いた。
警察に言わなければならなかったけど、彼らは番号を追跡出来なかったんだ。
 
そういうことがあったけど、ボクはより強い自分になって、Dragonforceをもっと成功させることにエネルギーを向けることが出来たんだ。
ボクは、メタルシーンは人種差別を拒否してると思うんだ。
ボクにはたくさんクレイジーな話はあるけど、それについてボクたちは話さないし、インタビューをされても、人種差別は存在しないと思ってるみたいで、聞かれることもないんだ。
 
 
Sinergyのキンバリー・ゴス
彼女の文化的背景と育ちについて
 
私は半分韓国人で、父がソウル出身よ。
母はクリスチャンで、母の両親は主にドイツ人の血を引いてるの。
私はロサンゼルスで生まれたけど、1歳の時に母と一緒に日本に移住したわ。
母は歌手で、日本で活動してたの。
私たちは、母が働いてる間に私の面倒をみてくれた家族と一緒に暮らしてたわ。
私の第一言語は日本語だったんだけど、残念ながらアメリカに戻ってからすべて忘れちゃったわ。
18歳になる2か月前にノルウェーに引っ越すまで、子供時代と学生時代の殆どをシカゴ郊外で過ごしたわ。
 
パンデミック中のアジア人とアジア・太平洋諸島系アメリカ人コミュニティの人たちへの暴力や、人種差別について
 
子供時代のフラッシュバックがあったわ。
子供の時、私の容姿を執拗にからかわれたのよ。
子供たちは目を斜めに釣り上げて、私を見て“Ching-chang-chong”みたいなことを言って、私はよくgookとかchinkって呼ばれてたわ。
違いは、あまりにも若くて無知だから、子供は残酷になり得るってことね。
 
でも大人になってからその手の露骨な人種差別を経験することは、前例がなかったし、衝撃だったわ。
無意味な暴力を目にして心が引き裂かれるし、外出する時は心配になるくらいよ。
私の娘は、最初私のことを物凄く心配してたの。
店に行ったり用事を済ましに行く時は、毎回誰かと一緒に行ってって頼まれたわ。
買い物に行くだけで、子供に恐怖心を持たせるなんて心をかき乱される。
 
中国に帰れって言ってくる人もいれば、北朝鮮に帰れって言ってくる人もいたわ。
私にとってそれはすべて言葉の暴力よ。
私の目が見れないように、しばらく店の中でサングラスとマスクをしてた時があったの。
そんなことを考えなければならないくらい非現実的なのよ。
 
アジア人の血を引く女性であることに関しての娘との話について
 
そういう話はするわ。
だけど娘は青い目をしてるし、髪はファンキーな色に染めてない時はライトブラウンなの。
娘は僅か25%韓国人で、私と一緒にいるとこを見たり、娘が言わない限り、娘がアジア人だとは誰も気づかないわ。
アジア人に対するヘイトや暴力が再燃し始めた時、私にとってなにより悲しかったのは、娘が韓国人に見えないことに内心ホッとしたことだったわ。
それが悲しい現実なのよ。
 
ネットや音楽業界で経験する人種差別や不公平な扱いについて
 
最近、インスタのダイレクトメッセージで、“北朝鮮に帰れ、ファッキンgook”って言われたわ。
私がプレイしてた他のバンドとのツアーでは、会場の外で数人の男が私をからかって、アジア人のアクセントを真似て、私を嘲笑したことを覚えてる。
その後、彼らはステージに立つ私を見て、コンサートの後にサインを求めてきたのよ。
彼らを見て、アジア人のアクセントで“あなたの言ってることが分からない”って言ってやったわ。
直接ってのはレアだけど、ネットでは私にアジア系の中傷をする人たちのコメントを読んだことあるわ。
通常、そういう人たちは他のファンにすぐに止められるから、人間に対する信頼を取り戻せるわ。
 
 
リンキンパークとFort Minorのマイク・シノダ
アメリカや世界中のアジア人とアジア・太平洋諸島系アメリカ人コミュニティの人たちへの人種差別や暴力の増加について
 
ツアーや旅行をして、どこでも人種差別を目にしてきた。
それを経験しなかった場所なんてないね。
“ヘイトをやめよう”とか“人種差別をやめよう”ってことを話すのは、意味のないことだ。
それはソーシャルメディアのフォロワーに自分をキャンセルしないえくれって訴えてるだけだ。
人種差別が終わる日なんてないよ。
それは絶え間ない努力が必要なんだ。
人種差別ってのは、鞭と思いやりの欠如の胸糞悪い結果なんだ。
 
政治的なレトリックがアンチアジアの人種差別や暴力に寄与したかについて
 
パンデミックは、多くの人の協力が必要な危機だ。
俺たちは安全なでいるためにみんなで責任を持つ必要がある。
みんな、家庭、教育、仕事、その他色々なストレスや困難をなんとかしようとしてるんだ。
 
あるグループをスケープゴートにして、状況をそのグループの責任にすることで分裂を生み出すという考えは、俺たちが必要とするものとは真逆のものだ。
“チャイナウイルス”という言葉を使い続け、アジア人を非難する人は、人々を不必要に危険にさらすだけじゃなく、学校に戻り、仕事に戻り、ある種の日常に戻るという社会を立て直すのに必要な努力を台無しにしてる。
 
彼の日本の血と彼の先祖のアメリカ捕虜収容所にいた経歴について
 
誰も俺の家族がどこ出身なのかを知らなかったね。
メキシコ人、ネイティブアメリカン、中国人、フィリピン人、イヌイットに間違われるんだ。
俺のパパは第一世代の日本人だ。
家族は、大統領令9066号によって、第二次世界大戦中、他の12万人と共にアメリカの捕虜収容所に拘禁された。
 
西海岸に住む日系アメリカ人を一斉に狩り集めて、戦争中、砂漠の間に合わせの強制収容所に押し込んだんだ。
それらの家族は、持ち物が破壊され、盗まれ、貧困状態で家に帰った。
1988年、ロナルド・レーガンは市民自由法を可決させた。
それで不当に扱われた家族に賠償金が支払われたんだ。
パパがその小切手を貰って、すべて教会に寄付したのを覚えてるよ。
 
音楽業界で直面する障害や偏見について
 
一般的に、音楽界にはアジア人のロールモデルがいなかった。
そういう意味で、俺には尊敬するべき人がいなかったんだ。
でも具体的にいえば、俺たちのA&R（訳注：レコード会社の職務のひとつ）は前に、俺たちにあるロゴを使うのをやめるように求めてきたんだ。
それが“アジアンカークラブのステッカーみたいに見える”からってね。
 
2021年にアメリカでアジア系アメリカ人であることが意味することについて
 
高齢者が無差別に襲われてる映像を観ると胸が痛むよ。
みんなが今、立ち上がってることに感謝する。
ポジティブな方法でお互い話し合って、お互いの困難や視点を理解する努力をすることが重要だと思う。
 
 
AmahiruとMary’s BloodのSaki
アメリカや世界中のアジア人とアジア・太平洋諸島系アメリカ人コミュニティの人たちへの人種差別や暴力の増加について
 
この状況にみんなが感じてるフラストレーションを理解するけど、実際の暴力には腹が立ちます。
個人的に私は、もうアメリカを含めて外国に行けるとは思いません。
アジア人は排斥されたグループなんです。
それに日本人が差別されることについて、友達からよく聞かされますし。
ソーシャルネットワークサイトの発達で、それがより強くなったと思います。
 
政治的なレトリックが、ここ1年にわたるアンチアジアの人種差別や暴力に寄与したかについて
 
コロナウイルスのフラストレーションが、一気に噴き出したような気がします。
差別や暴力が減少したとは思いません。
私はアメリカにはいないので、どうなってるのかは分かりませんが、ビデオやニュースやソーシャルメディアの投稿を日々目にします。
 
ネットでの嘲笑に対処することについて
 
日本は、外国人に会う機会が極めて少ない島国ですし、私は日本でそういう差別を経験したことはありません。
だけどYOUTUBEやソーシャルメディアサイトのコメントで、嘲笑されたことはありました。
凄く腹が立ちましたね。
 
ヘヴィメタルにおけるアジア人女性の影響について
 
幸いにも、音楽業界のどんな障害も偏見も感じことはありません。
日本人女性がやるメタルは、BABYMETALが現れるまで、海外ではレアとして見られてたんです。
そのおかげで私たちの注目や新しい機会や観客が増えるのは良いことだと思います。
 
 
Bamboo StarのWolf Red
香港で生まれたことや、オーストラリアで育ったことや、以前にあった人種差別について
 
オーストラリアの人種差別は、アメリカに比べればそんなに際立ってない。
多様な人たちが集まってるしね。
でも同時に、俺たちは自分と向き合って真剣な話をする必要がなかったから、今でもかなり控えめな差別がある。
長いことテレビや政府で、アジア人を見ることはなかったんだ。
でもシドニーのストリートを見渡せば、黄色やブラウンの顔が俺たちのクラスメイトや隣人や友達だったんだ。
 
この断絶は、白さ、或いはアングロ文化が移民の目指すべきものであり、俺たちの民族性や血は軽視すべきもの、或いは恥じるべきもののように感じさせたんだ。
そしてある日、白人の友達から“君はアジア人だけど、本物のアジア人じゃない”って“褒められた”んだ。
まるで俺の人種や文化がクールじゃないものの定義かのようにね。
それは悪意があったわけじゃないけど、最悪なのは、俺自身が若い頃、しばらくそう思ってたことだ。
 
アジアでの人種差別と不当な扱いについて
 
香港に帰った時、妙な感覚だったよ。
3歳の時に去って、“自分の国に帰れ”と言われて戻ってきたけど、馴染めなかったんだ！
それは海外で育った人も本当の香港人じゃないと見做される、一種の“文化主義”だったのさ。
それこそバンドをBamboo Starと名付けた理由なんだ。
それは、海外で育ったアジア人を指して使われた侮蔑語の言葉遊びなんだ。
 
俺は、アイデンティティを持つために音楽を使いたかったんだ。
それは香港そのものって感じで、文化のるつぼであることは恥ずかしいことじゃないんだ。
それに慣れてツアーを始めたら、それは自分の血に関してシェアしたいメッセージになった。
アジア以外ではそんなにやってないけど、カナダでは数回プレイしたよ。
それが、フェスで俺たちが“名ばかりの”アジアのバンドとしてやれたと思った時だったね。
 
アジア人に対する人種差別の増加について
 
恐いどころじゃないし、すげえひっきりなしに起こってる。
アメリカ人じゃない俺が言うべきかは分からないけど、人種間の緊張がアメリカの社会や文化のほぼすべての層に穴をあけてるように思える。
俺たちは、アメリカの政治が最も対立を引き起こした時代の余波の中で生きてて、このパンデミックが人種間暴力が顕在化する完璧な切っ掛けになったんだ。
コロナは生活を破壊し、みんなスケープゴートを必要としてるんだ。
 
俺たちが目にするアンチアジアの攻撃が凄く増えてることに加え、特に胸が痛いのは、その加害者が有色人種である場合だ。
これは、俺たちが人種のヒエラルキーの物語の術中にはまり、何世代にもわたってそうだったように、もう1度お互いに対立してることを物語ってる。
コロナでアジア人を非難するのはあまりにも簡単だし、マイノリティが団結するべきなのは、こういう時だろ。
俺たちに味方してくれるすべての非アジア人に感謝する。
俺たちだけじゃこれを乗り越えることは出来ないんだ。
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
残酷なのは弱い人間である。優しさを見せることができるのは強い人間だけである。
レオ・ロステン
 
 
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